RSウイルスは呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、感染後2~8日(通常4~6日)の潜伏期間を経て、発熱、鼻汁、咳などの症状が現れます。再感染することもあり、生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全ての子供が感染します。特に生後6ヶ月未満の乳児がかかってしまうと、重症化する危険があるため小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。この記事では、RSウイルスの症状、感染対策、そして家庭でのケアについて解説しています。
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記事公開日:2024/11/15
RSウイルス感染症ってどんな病気?
RSウイルスの感染によって呼吸器感染症を引き起こす感染症です。ウイルスに感染してから2~8日(通常4~6日)の潜伏期間の後、発熱、鼻汁、咳などの症状が数日続きます。
RSウイルスはどこにでもいるウイルスで、一度かかっても完全に免疫が得られず何度も感染することがあります。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染すると言われています。
1歳未満、特に生後6ヶ月未満のRSウイルス感染は肺炎や細気管支炎など重症化する可能性があるため注意が必要です。
RSウイルスにかかると重症化しやすい子どもの特徴
- 生後6か月未満の赤ちゃん
- 早産・低出生体重の赤ちゃん
- 先天性心疾患のある方
- 慢性肺疾患のある方
- ダウン症
- 免疫不全症
感染経路は接触感染と飛沫感染
接触感染
RSウイルスに感染している人との直接の接触や感染者が触れたウイルスがついた手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったりなめたりすることで感染します。
飛沫感染
RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、あるいは会話などをした際に口から飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことにより感染します。
感染しないようにするには?
感染予防策
- 子ども本人も、周囲の人もしっかりと手洗いをしましょう(アルコールの速乾性手指消毒剤も有効です)
- 咳や鼻水など風邪症状がある時はマスクを着用しましょう
- 子どもたちが使用するおもちゃや、ドアノブ・手すりなど触れた場所などはこまめに消毒しましょう
RSウイルスは消毒薬に弱いので、次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンなど)、消毒用アルコール、ポピドンヨード(イソジンなど)が有効です
- 人混みを避ける
特に小さなお子様がいるご家庭で気をつけること
幼児以上の子どもや大人がかかっても風邪症状だけで済むことが多い感染症です。そのため、1歳未満のお子様がいるご家庭ではRSウイルスとは気づかずに赤ちゃんのうつしてしまう可能性があります。普段から手洗い、うがい、風邪症状のある時のマスク着用が大切になります。
もしもRSウイルスに感染してしまったら?
治療について
ウイルスに対して効果のある薬はなく、症状を和らげる対症療法が行われます。
家庭での対応〜ホームケアのポイント〜
特別な治療法はないので、おうちで体を休めながら回復を待ちます。
- 病院で処方された薬はきちんと服用するようにしましょう
- 水分補給・栄養補給
発熱すると汗をかきやすいので、こまめに水分補給しましょう
母乳やミルクが飲みにくそうな時は少量をこまめにあげてみましょう - ゆっくり休めるような環境作り
咳で眠れない時は少し体を起こしてあげるように抱っこしてあげたりクッションなどで体を少し起こすようにすると楽になることがあります
鼻が詰まっている時は鼻水をこまめに吸い取ってあげましょう
加湿器などで部屋の湿度を50~60%になるように調整する - 家族の感染予防のためタオルの共用は避けましょう
重症化した時の症状
こんな症状があったらすぐに病院受診しましょう!!!
- 咳がひどくなる
- 呼吸の時、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と音がする
- 呼吸が苦しそう(肩で大きく呼吸をする、息を吸う時胸がぺこぺこ凹む、呼吸がとても早い)
- 顔色や唇の色が悪い
- ミルクや母乳の飲みが悪い、食事が取れない
もっと詳しく知りたい時や受診に迷った時など、リーバーの医療相談でお医者さんに相談することができますのでぜひご活用ください。
参考文献
国立研究開発法人国立成育医療研究センター:RSウイルス感染症. https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/rs.html
厚生労働省: RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂).https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html