うんちが出ない日が続いている、うんちをするときに痛がって泣く、肛門が切れて出血する、お腹が張って機嫌が悪い・・・。これらは子どもからの便秘のサインかもしれません。一時的に便秘になった場合は「一過性便秘」。便秘によって検査や治療が必要な状態を「便秘症」といいます。
子どもの便秘はめずらしいことではありませんが、便秘を放っておくと悪化してしまい、治療が必要な状態である「便秘症」になってしまうかもしれません。そのため便秘に気づいたら、早めに対処する必要があります。便秘の症状や対策をぜひチェックしてみてくださいね。
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記事公開日:2024/11/15
便秘ってどんな症状?
便秘は、本来出すべき便を十分かつ快適に出せない状態のことです。排便リズムは個人差が大きいので、毎日出ていても残便感があったり苦痛を感じている場合は便秘に当たります。
便秘の症状
- いつもより便の回数が少ない(目安:週に3回未満、5日以上出ない)
- いきんでもなかなか出ない
- 便が固くて出にくい
- 出す時に痛がって泣く
- お腹が張る、お腹に痛みを感じる
- 食欲不振
- 不機嫌
- 肛門が切れて出血する
- 少量の硬いコロコロした便ばかりが出る
- 便意がある時、足をクロスさせて我慢する様子がある
など、様々な症状が現れることがあります。また、便秘がひどくなると、コロコロの便や軟らかい便が少量ずつ頻繁に漏れたり、嘔吐したりします。
便秘になりやすいタイミング
乳児の場合
- 赤ちゃんの場合、便を出す機能が未熟だったり力が弱いために便秘になることが多い
- 母乳からミルクに移行した
- 離乳食が始まった
幼児の場合
- トイレトレーニングを始めた
- 保育園や幼稚園に通い始めた
小学生の場合
- 学校でトイレに行くのをためらい排便を我慢してしまう
- ゆっくりトイレに入る時間がない
このように便秘になりやすいタイミングは様々です。日頃からお子様の排便の有無やうんちの状態を把握しておくことが大切です。
便秘に気づいたらひどくなる前に小児科に相談!
便がいつも通りに出せず、不快感や苦痛を感じていれば便秘と言えます。あまり我慢して便秘が悪化しないように、便秘に気づいたら悪化しないうちに小児科に相談した方が良いでしょう。
こんな症状があったら要注意!速やかに病院受診しましょう。
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便に血が混ざる
- 元気がなくぐったりしている
- 身長の伸びが悪い、体重減少がある
- 繰り返し吐く
- お腹を激しく痛がる
ご家庭での便秘対策
生活習慣を整える
- 早寝早起きをして規則正しい生活を送る
- バランスの取れた食事を3食とる
- 決められたおやつの時間以外に間食をしない
- 散歩や外遊びなど体を動かして腸の動きを促す
- ゆとりのある時にトイレに座るよう促す
- 便意を感じたらトイレに行き我慢しない
- 無理なトイレットトレーニングは避ける(便秘のお子様はまず便秘を改善してからトイレットトレーニングを開始します)
食事の内容を見直す
- 十分な食事量(乳児の場合は哺乳量)か見直す
- 水分が十分とれているか確認する
- 野菜、海藻、果物、芋類、豆類など食物繊維が多く含まれる食材を積極的に食べる
- 甘いお菓子やジュースなどカロリーが高い割にあまり便にならないものは控える
1歳未満の赤ちゃんの場合
赤ちゃんの場合は、うんちは柔らかいものの便がうまく出せない状態のことがあります。この場合は、綿棒で肛門刺激してあげると排便の手助けとなるかもしれません。
- 肛門刺激:綿棒にワセリンなど滑りをよくするものを塗って、肛門から1~2cmくらい挿入し刺激する
- おへそから「の」の字を書くように手のひらでマッサージする
- 離乳食開始後であれば、プルーン、りんご、柑橘類の果汁を3倍に薄めて10~20ml飲ませる
- ヨーグルトを少量毎日食べさせる
もっと詳しく知りたい時や受診に迷った時など、リーバーの医療相談でお医者さんに相談することができますのでぜひご活用ください。
参考文献
日本小児栄養消化器肝臓学会:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン. https://www.jspghan.org/constipation/files/guideline.pdf
日本小児栄養消化器肝臓学会:子どもの便秘詳細版. https://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf